おっさんの人間観察日記 

平凡な人生の中でも、「あー、人間てやつぁ~」と思う事がある。
人に癒され、人に悩まされ、助け合い、憎みあい・・・
人間関係にまつわる事を、思うままに書いていきたい。

 

先日、友人の主催する勉強会で「ピープル・アナリティクス」の講座に参加してきた。
「ピープル・アナリティクス」とは、大雑把に言えば【人事に関する慣行、プログラム、プロセスなどをデータに基づいて理解すること】となるが
人の行動や感情をデータを集積して分析すると言う手法の事でる

登壇した講師が、提唱していた考え方に「人を幸福にするため」の手法と言うのに大いに共感した。その中で幸福は伝播し、不幸は孤立すると説明があった。

1020名のネットワークで検証した結果、友人・配偶者・兄弟姉妹で構成されていたときに、幸せな人がつながり、不幸な人は末端に追いやられるようになる。不幸人同士で連携するのではなく毛糸がほつれていくようにように消えていくらしい。最悪、自殺とか鬱とか。

出典:つながり 社会的ネットワークの驚くべき力
   ニコラス・A・クリスタキス, ジェイムズ・H・ファウラー他
 
幸福は伝播し、不幸は孤立する
このワードに触れて、かつてのほろ苦い思い出が脳裏に浮かんだ。

10年以上前、在籍したていた外資系の人材派遣会社の技術者派遣部門の
旗艦店の責任者をしていた。元々この会社も、前身はオーナー会社だったのだが
外資系資本に売却され徐々に外資の文化が押し寄せてきた。
その事業部のNo1、No2はその事業部を立ち上げた古参メンバーで、事業部の
私有化が甚だしい状況だった。途中で他の事業部から異動してきた自分は
彼らの閉塞的な考えに辟易としていた時、ある転機が訪れた。

本国の方針で、部門のサービスを細分化してラインナップを増やすと言う計画が
持ち上がった。既存の部門は技術者と言ってもITサービスのみで、製造分野の
技術者には手つかずだったのだ。そして、その分野に明るいマネージャーを採用し
新事業部を立ち上げる事になった。自分はその計画に参加することで手を挙げた
当然、「技術系は自分たちの分野」と考えていたNo1,No2にとっては裏切り行為である。メンバーからも出世に目がくらんだなどと批難の声が上がる。しかし自分はクーデターと取られようと新たな事業部の創設にかけたい思いが勝った。

そして、設立半年間、新事業部の立ち上げに奔走していたが、そんなある時本社の会長から呼び出しを受けた。会長から言われたのは「事業部を閉鎖する」との通告。。。
何が起ったのか、さっぱりわからない。呆然としていた自分に説明があった。
本国でこの計画を立ち上げた人物が失脚し、新たな経営方針で細分化したサービスは
統合すべしと真逆の方針が出されたのだ。
そうして、敢え無く事業部は解散、事業部の責任者も退職となり、自分を含めた
メンバーは元の事業部に吸収されることとなった。

裏切りものがまた、元の部門でやっかいになる日々。
とってつけたような役職でお荷物のような扱いを受ける。

その時は正直拗ねていた。
なんで梯子を外されてこんな辱めを受けるのか。会社に裏切られたと言う思い。
さすがに部内ではそんな事は言わなかったが、それ以外の親しい後輩、退職したかつてのメンバーには自分の心情を吐きまくっていた。自分を慰めてくれるだろうと。
そう自分は被害者なのだ!癒されるべき!

そうこうするうちに、自分のこんな評価を聞くようになった。
「あの人、100%愚痴ばっかりだよね」と。。。
理解してくれると思っていた信頼していた人たちからの評価。
かつて世話をしてやったという思いもあった。

そして、今はこう思う
「人間、不幸面をしていると離れていく。どんなにその理由があろうと、マイナスの
エネルギーをだしていると人は相手にしてくれなくなる」と。貧すれば鈍するとは
この事か。

幸福は伝播するが、不幸は孤立する。